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とっとりWEST vol.4

人と人との“交差点” 米子の複合型コミュニティ施設「わだや小路」を支える人たち

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この連載は... 家族を大切に思う気持ちは、どこに住んでいても、おなじ。でも、鳥取西部には、その気持ちにもっと正直な人たちがいます。時間の使い方は、あなたの生き方。鳥取西部と一緒に家族との時間について考えてみませんか。

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鳥取西部の中でも有数の中核都市、米子。

ショッピング施設や飲食店などで賑わい、周辺の市町村に移住してきた方も、職場は米子で見つけることも多いそうです。

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そんな米子駅から徒歩10分ほどのところに、あるコミュニティ施設があります。その名前は、「わだや小路」(わだやしょうじ)

古民家を改装したこのコミュニティ施設は、レンタルスペース、ゲストハウス 、レンタルオフィス、土間ギャラリーの4つのエリアで構成。「解放 Guest House 勝造」、「NPO法人まちなかこもんず」、「NPO法人地域福祉ネット」の3団体によって運営されています。

目的の違う施設が1つ屋根の下に同居するわだや小路は、レンタルオフィスを借りる地元の方や、ゲストハウスを利用した宿泊客の方など、色々な年代や立場の人が“交差”する憩いの場になっています。

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取材時に竹を割っていたお二人も、実はその日初めて出会った方同士。宿泊しながらゲストハウスの仕事を手伝っているヘルパーさんとゲストさんで、この日はバスルームの窓を塞ぐ「目隠し」をつくっているとのことでした。わだや小路で生まれた“点”が“線”になっていく瞬間です。

今回はそんな米子の出会いの“交差点”である「わだや小路」の立ち上げ・運営に携わっている2人の女性にインタビューさせてもらうことに。

生まれも育ちも米子という生粋の“米子人”のお二人に、立ち上げまでの経緯や、米子の魅力について聞いてみました。

 「使っていない古民家を活かしたかった」

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「よくね、“この場所は何なんだ”って、地元の方にも聞かれるんですよ」

そう笑いながら話してくれたのは、建築デザイン事務所、キミトデザインスタジオの吉田さん。現在、複合施設「わだや小路」の運営に携わっています。進学や就職にあたって一度は米子を出る人が多い中で、吉田さんは生まれも育ちも米子。地元の高専で5年間、建築を学びました。

上京を考えたことはなかったんですか、と訊ねると「インターンで一度通勤ラッシュを経験して、肌に合わないなと思っちゃって」と吉田さん。卒業後は、米子の建築事務所で働くことに決めます。

新卒で入社した事務所で働きながら、「米子建築塾」という団体に所属していた吉田さん。この団体は、米子在住・出身の建築家さんたちの集まりで、米子の住環境や建築・生活文化の向上を目指して建築家のトークやまちあるきなどを行い、吉田さんもその一員として活動に参画しました。

そして7年勤めた事務所を辞め、独立を検討していたころ、米子建築塾のメンバーだった来間直樹さんから「わだや」のお話を聞くことに。わだやプロジェクトは、所有者の和田さんから「持ち家が空き家になるのだけど、何かに使えないか」とご相談を受けたことから始動。「まちなか」、「駅近」、「古民家」など、わだやの持つ良さを色々と検討した結果、今の形になりました。

古民家物件ををリノベーションしてコミュニティスペースをつくるための見積もりや設計を任されることに。在学中に鳥取の古民家を研究しており、古民家に対する思い入れも強かった吉田さんは、まさに適任でした。

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「米子は元々古民家が多いんですが、持ち主の方も“古い・ボロい・魅力がない”ものと思っているんですよね。でも、欲しい人や活用したいと思っている人もいる。そこをマッチングさせる良いプロジェクトだと思いました」

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構想から2年かけてようやく完成した、わだや小路。極力手を加えずにそのままの素材を活かす設計には、築140年以上経つ古民家への吉田さんのリスペクトが反映されています。

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これは先日、設立1周年を迎えたわだや小路の記念イベントの模様。アーティストや、地域で活動する建築家、地域おこし協力隊の方など、様々なジャンルの人が一堂に会し、交流を深めていました。

今後、わだや小路でどんなことをしていきたいですか、と吉田さんに聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

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「正直なところ、わだや小路が何屋さんかわかっていない地元の方も多いんです。なので、もっと積極的にイベントを打って地域の人たちのコミュニティのハブになっていきたいですね」

米子の人と人との出会いの交差点。
わだや小路の“人通り”はまだまだ増えていきそうです。

「“旅人の出会いの場”に、祖父の信念を乗せて」

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インタビューをさせてもらった方の2人目は、「解放 Guest House 勝造」を運営している原さん。沖縄の離島旅が好きで、学生の頃からゲストハウスを利用するうちに「自分でもゲストハウスをつくりたい」という想いが募ってきたといいます。

「旅の醍醐味って出会いだと思うんですよ。そして、そんな出会いの場を提供できるのがゲストハウスだと思ったんです」

大学を卒業した後は、家族の切望もあり、米子で作業療法士として働くことにした原さん。仕事が休みの日には、ゲストハウス用の物件を探して歩きましたが、なかなか条件が合わないまま、数年が経っていったといいます。

そんなとき、「ゲストハウスに使えそうなスペースがある」という話を聞き、夢への大きな前進になったのでした。

とは言え、何もないところからのスタート。具体的な構想が固まってから2年の月日と紆余曲折を経て、また、多くの友達やボランティアの力を借りて「解放 Guest House 勝造」は完成しました。

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ドミトリー式の部屋が2つあり、会話が生まれる距離感。マンガが有名な境港に訪れる外国の方が50%を占めるのだそう。米子の地で国境を越えた交流が生まれるかもしれません。

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ゲストハウスの名前にも入っている「勝造」とは、原さんのひいおじいさんのお名前。河合寛次郎さんなど著名な職人さんとも親交があり、自身も家具に使う金具の職人だった勝造さんは、「普段使うものこそアートだ」という民芸の考え方を実践してこられた方。その信念をゲストハウスの冠に掲げました。

原デザインの看板の解放マークに込めているように「今後も人と人とが出会い、どんどん心の目を“解放”していってほしいですね」と原さん。

小さいころから影響を受けてきたおじいさんの信念と自身の夢が融合した空間。これから、たくさんの出会いと化学反応が巻き起こっていくことでしょう。

おわりに

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今回、ご紹介したスペースのほかにも、レンタルオフィスや土間ギャラリーが併設されているわだや小路。米子の中でも活動的で“感度の高い”人が集まる場所なため、移住を検討している人がネットワークを広げるにはうってつけのスペースかもしれません。

最後に、生粋の“米子人”である吉田さんに、米子の人の特徴を聞かせてもらいました。

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「鳥取の、特に米子の人は、他の地方の人たちと比べて“来るもの拒まず”な人が多いんじゃないかなと思います。良い意味で、フラット。それから新しいもの好きなので、何か新しいことを始めたいという人にはオススメかもしれません」

馴染むまでに時間がかかるなど、新しいことを始めるにあたって何かとハードルが高い地方ですが、外から来る人に“ウェルカム”なとっとりWESTなら、夢を実現しやすいかもしれません。

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この記事を書いた人

佐々木 ののか

佐々木 ののか  

1990年北海道帯広に生まれる。筑波大学で国際開発学を学び、新卒でカバン屋に就職後、2015年6月より現職。ライター業では突撃取材に定評があるが、ジャンル・テイスト問わず幅広くこなす。共感性の高い文章を書くのが得意で、人間の葛藤や一見醜い感情に興味を惹かれる。関心があるテーマは、新しい夫婦・家族・関係性など。Wanderlustでは、「旅」をテーマにしたエッセイや小説を執筆していく予定。
Twitter @sasakinonoka

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