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30年前のガイドブックで四国を旅する vol.2

タイムスリップ旅、高知、少しだけ徳島編(後編)

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この連載は... 旅行に出るとき、誰もが片手に持つガイドブック。スマホが普及したこのご時世、昔のガイドブックを頼りに旅をするとどうなるだろうか? と思い立ち、旅をしたのは四国。あなたも30年前にタイムスリップしてみませんか?

30年前のガイドブックで四国を旅する

高知、少しだけ徳島編(前編)»

高知にて33年前のガイドブックを見て、桂浜や高知駅などを巡った。次はそろそろお昼ご飯の時間だ。当時のガイドブックを見て、美味しいお昼ご飯にありつこうではないか。今もあればそれは必ず美味しいお店だ。残っていれば、だけど。

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33年前のガイドブックに載っているグルメ情報の地図

ガイドブックには地図と、オススメのお店の紹介文が載っていた。ここで心惹かれたお店に行ってみようと思う。まずは「プリンス」に行くことにした。戦後すぐにできた喫茶店で、高知で一番の老舗だそうだ。何か思い出話でも聞けそうではないか。

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33年前のガイドブックに載っているグルメ情報の地図

地図が簡単すぎて迷う。住所も載っていない。当時の人はこれでたどり着くことができたのだろうか。そんなことを心の中で愚痴りながらアーケードのある帯屋町商店街を歩いた。人も多く活気がある商店街だった。プリンスへの期待も高まる。

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ないね!

地図の場所にたどり着いたけれど、「プリンス」はなくなっていた。近くの人に話を聞く。

「プリンスって喫茶店ありませんでしたか?」

「昔はここにあったね、でも10年くらい前かな、なくなったよ。高知で最初にアイスの天ぷらを出したお店なんだよ」

そうか、プリンスはないのか。もう王子ではないのだ。ガイドブックが出版されて33年も経つのだから。いまは王になっているのかもしれない。でも、王子はアイスの天ぷらを作っていたのか、結構奇抜な王子だな。

プリンスがあったビルには、

プリンスがあったビルには、

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大きく「プリンス」の文字が。王だ!

建物には大きく「プリンス」の文字が残っていた。お店があった場所は今も空き家で、別のお店も営業もしていない。時が流れた証拠だ。そして私の昼ごはんも流れたことになる。もう1店舗くらい探そうではないか。

探します

探します

次は「べべる」というお店を探そうと思う。リブロードという建物の5階にあるお店で、オランダ風のお好み焼き「オランダ焼き」が名物だそうだ。べべるスープ、べべるサラダ、べべる鉄板焼きもあるらしい。胃もたれしそうなくらい「べべる」だ。本当に食べて胃もたれしようではないか。

なかった

なかった

どうやら「べべる」があった「リブロード」という建物は、2014年に閉館したようだ。よって、「べべる」もない。「べべる」を日本語にすると辺や角を滑らかにする効果のこと。まさにその通りで、リブロードは壊され、滑らかな土地になっていた。

痕跡はあった

痕跡はあった

 

室戸岬へ

食事を諦め、高知市を離れて、徳島方面に進路をとる。車を走らせ室戸岬に行こうと思う。室戸岬は四国巡礼の24番札所である「最御崎寺」がある場所だ。ガイドブックを読むと岬バス停の待合室にウサギとタヌキがそれぞれ2匹ずついて、観光客に愛嬌を振りまいている、とある。見たいじゃない。

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室戸岬に行きます!

ガイドブックにはタヌキとウサギがいるとある

ガイドブックにはタヌキとウサギがいるとある

高知駅から路面電車と一緒に車を走らせ、やがて路面電車はなくなり、看板を見ると室戸岬まで74キロの文字が現れた。びっくりする。高速道路もなく、下道をゆっくり74キロ。ガイドブックは四国とひとくくりになっているけれど、四国は広いのだ。全然たどり着かないのだ。

たぶんあの先に行く

たぶんあの先に行く

岬なので車を走らせているとその先端が見える。ただ見えているのにたどり着かない。蜃気楼みたいである。本当にあるの? となるのだ。でも、あるのだ。タヌキとウサギが私に愛嬌を振りまく準備をしているはずなのだ。

夕暮れ時に岬バス停に辿りつきました!

夕暮れ時に岬バス停に辿りつきました!

日が沈もうとしている。朝、香川を出発したのが間違いだった。香川から高知までも2時間半くらいかかるのだ。遠いのだ。今後も、四国広い、を連発することになる。ガイドブックに一言、四国でかいと書いてくれればいいのに。ヘトヘトだ。ただそんなヘトヘトを癒してくれるのが、愛嬌を振りまく、ウサギとタヌキなのだ。

いないね

いないね

いなかった。バス停はあったけれど、ウサギもタヌキもいない。愛嬌を振りまいてくれているのは、ガイドブックにあった中岡慎太郎の銅像くらいである。話を聞けば、かなり前からいないらしい。ただ30年ぶりにここを訪れた人は「全く変わらない」と驚いていた。ウサギとタヌキだけが変わったのかもしれない。

海は綺麗!

海は綺麗!

 

徳島へ

この日の宿は徳島の日和佐というところに取っていた。本日のゴールはここだ。高知・室戸岬から海岸線を走り、徳島・日和佐を目指す。日和佐に宿を取った理由はウミガメの産卵を見ることができるからだ。

ガイドブックに書いてある

ガイドブックに書いてある

日が沈みかける海岸線を車は走った。この日の宿は19時半チェックインが必ずなのだ。どうも、車の音や光がウミガメの産卵の妨げになるようで、ホテルへと通じる道が通行止めになるらしい。そのために19時半が絶対なのだ。

日が沈みかけている

日が沈みかけている

でも、ウミガメが見られるならいいじゃない。急ごうではないか、と車を走らせ、無事に高知から徳島へと入った頃に日が暮れた。そして、豪雨である。ワイパーが飾りなんじゃないかな、と思うほどに雨が降り出したのだ。

すごい雨

すごい雨

ウミガメを見ることができるのだろうか、と心配になりながらホテルへと着いた。ホテルの近くにいた人に話を聞いた。

「雨ですけど、ウミガメを見ることってできますかね?」

雨でも晴れでも、天気に関係なくウミガメは来ます!

なんとも嬉しい答えだけれど、その人はこう続けた。

ただ雨だと濡れます

それ、知ってる!

ウミガメの上陸を知らせるメールがあるらしい!

ウミガメの上陸を知らせるウミガメールがあるらしい!

ガイドブックにはウミガメが上陸するとホテルの人が教えてくれる、とあるけれど、今はそのシステムはなく、代わりに登録するとメールで教えてくれるシステムができていた。もちろん登録した。私のスマホに嬉しい知らせが届くだろう。

我慢できずに見に行った

我慢できずに見に行った

メールは届かず、雨の中、海を訪れた。ウミガメはいなかった、と思う。というのも、暗くて何にも見えないのだ。決まりで照明をつけたらダメ。そのため、真っ暗。ただメールも届かないので、いないのだろう。これは長い夜になりそうだ。

この日の一食目はカップ麺だった

この日の一食目はカップ麺だった

次回は「徳島編」です。ウミガメを見ることはできるのか、阿波踊りを踊ることはできるのか、その辺りが見所ですが、なにせ、33年前のガイドブックなので、何も見れない可能性もあります!

 

vol.3へ続く» タイムスリップ旅、徳島編(前編)

 

◆美波町観光協会
〒779-2305 徳島県海部郡美波町奥河内字寺前493-6
TEL/FAX:0884-77-1875
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この記事を書いた人

地主 恵亮

地主 恵亮  

1985年福岡生まれ。基本的には運だけで生きているが取材日はだいたい雨になる。2014年より東京農業大学非常勤講師。著書に「妄想彼女」(鉄人社)、「インスタントリア充」(扶桑社)がある。

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