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日本!ロークオリティ旅 vol.4

『世界で一番怖い』喫茶店、伴天連は本当に怖かった

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この連載は... アート、カルチャー、テクノロジーその他もろもろ。世界に誇るハイクオリティなモノが沢山ある日本。でも、世界に誇れるロークオリティなモノだってあるはず!そこで、「愛すべきロークオリティな名所」を探しに、「無駄な発明品を作る」発明家の藤原麻里菜が旅にでました。

伴天連

発明家の藤原麻里菜です。

日本に来た外国人にインタビューをするテレビ番組で「日本の文化はクオリティが高いし、テクノロジーもすごい」と答えている人がいました。テクノロジー、アート、カルチャー、その他もろもろ。日本人は、ハイクオリティを求めがちかもしれません。でも、街のパン屋に並んでいる版権を完全無視したキャラクターパンや、阿部寛のホームページなど。ロークオリティだけれど、愛おしいものが沢山あります。

そこで、日本にまだまだ潜む『ロークオリティ』な名所を探しに、旅に出ました。
そして今、世界一怖い喫茶店『伴天連』で泣きそうになっています。

▶︎女木島にいるロークオリティな鬼たち
▶︎尾道の前衛的な商店に行ってみた
▶︎東広島の山中に『世界一怖い喫茶店』があった

 

伴天連

「はい、ヘビの血です」そう言いながら、コーラの瓶を手渡してきたご主人。「サンドイッチの卵は、ダチョウを使ってます」冗談を言うペースが早すぎる。おどろおどろしい空間を一気に和ませる軽いジョークに、恐怖感が薄れてきました。

 

このお店、どのくらいやってらっしゃるんですか。

 

50年くらいですね。

 

ご、ごじゅう……。

 

親父とおふくろでやってたんだけど、20年前におふくろが亡くなって。親父一人でやってて。俺は、別のところで仕事やってたんだけど、5年前に親父も亡くなって、店を閉めたんだけど、1年前くらいかな、僕が継いだんですよ。

伴天連

伴天連

 

それにしても、すごい数ですよね。

 

そうだね。どのくらいあるんだろう。剥製類は、ほぼホンモノです。あ、お姉さんの後ろにある杖みたい長いやつあるでしょ。それは、馬の陰茎の剥製。

 

まじすか! これ見るって人生で二度となさそうだな……。結構、貴重なものじゃないですか?

 

うん。貴重だと思います。あと、一番貴重なものは、コレ。アマゾンの首狩り族の干し首。昔からウチに置いてあるんだけど、歴史の研究家の人が来てね「これはホンモノだ!」って言ったんだよ。日本には、国立博物館にしかないらしいですよ。

注*本物かは定かではありません

 

ちなみに、この気持ち悪い生首は、自分で作った。プラスチック板買ってきて、半田ごてで溶かしてね。恐いでしょ。

伴天連

 

スリップノットみたい…。歴史的に貴重なものに混ざって、手作り品まであるんですね。

 

入り口に、乗るとボヨンってなる床あったでしょ。あれもね、親父とバネを買ってきて、「この長さじゃモノ足りない」「これだと、弾みすぎ」なんて試行錯誤して作ったんです。頑張った甲斐あってか、あの床で「ギャー!」って言って店に入らずに帰る子が多い。失礼だよね、うち純喫茶でやってるのに……。

あ、あとお姉さんの後ろにあるやつも……。お姉さんのすぐ後ろ……。

 

後ろ…?

 

bateren_rs

 

うあああああああああああああああ!

 

一人で来なきゃ良かったのに。

 

古典的なのに、めちゃめちゃ怖い! 何でこういう喫茶店になったんですか?

 

親父がバーテンダーで、最初はスタンドとして伴天連をオープンさせたんだよ。

伴天連

これが、オープン当時の写真なんだけど、剥製やアンティーク品を置いてたんだよね。当時、親父の知り合いで貿易商をしている人がいて、変なモノを安く売ってくれてたんです。それを揃えてるうちに、こんな感じになっちゃった。まあ、僕としては、生まれたときからコレが普通だったから、変わってるとは思ってないんだけどね。

 

どういうお客さんが多いんですか?

 

昔は、デートスポットだったんだよ。地元のカップルがよく来てたね。今は、昔から知ってる常連さんとか、県外からの人が多いかな。再開して、まだ1年しか過ぎてないから、「もう伴天連は閉店しちゃった」ってみんな思ってるみたい。でも、毎朝1時間かけて置いてあるモノの掃除や草刈りをして開店してますよ。

 

 

 

伴天連

伴天連

伴天連

 

「そろそろ時間なので、帰ります! ごちそうさまでした」と言うと、「気をつけてね!」と言いながらドォーンとドラを叩きました。何で、ここにきてドラなんだ。

 

伴天連

 

数時間ぶりに外に出てみると、広島の太陽がまぶしく私を照らします。
ここに書いていない怖い仕掛けも堪能し(行った人のお楽しみ)、店主さんの話の楽しさと本能的に感じる恐怖心に挟まれた貴重な体験。

 

「どうにかして、人を楽しませたい」という思いから、愛おしいロークオリティが生まれるのだと確信しました。

完璧なものなんてないし、ハイクオリティが良いわけでもない。気持ちをゆるめて、現代を生きていきます。

 

◆伴天連
広島県東広島市下三永730-289
TEL:0824-26-0024

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この記事を書いた人

藤原 麻里菜

藤原 麻里菜  

1993年7月20日生まれ。横浜市戸塚区出身、都内在住。
2013年から、YouTubeチャンネル『無駄づくり』を開始し、無駄なものを作り続ける。現在、チャンネル登録者数は2万5千人を超え、総再生回数は670万回以上になり、テレビを始めとする様々なメディアに取り上げられている。

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