メニュー閉じる

竹生島探訪記 vol.3

琵琶湖に向かって卵と餅をポーン!? 幸せと金宝富貴を祈念する龍神祭での唯一無二の儀式

  • Facebook
  • Twitter

この連載は... 島国日本は7000近くの島々からなるが、古来より「神の住む島」として知られているのが「竹生島」。そんな琵琶湖に浮かぶ、人ひとり住んでいない無人島で、毎年「竹生島まつり」が行われる。知る人ぞ知る(知る人しか知らない!?)竹生島のワンダーラストをお届けします。

竹生島

竹生島まつりレポート連載もいよいよ完結編のvol.3である。

今回は、vol.2「宝厳寺・竹生島神社、厳島神社、江島神社の日本三大弁才天に一度に会えるお得なお祭り」での「三社弁才天祭」に続き、6月14日に開催される「龍神祭」をご紹介したい。

龍神祭とは、琵琶湖に浮かぶ小さな無人島・竹生島の御祭神の一柱とされる龍神様に、鏡餅や玉子を奉献して幸せと金宝富貴を祈念するお祭りである。併せて同日に、龍神様への感謝と琵琶湖の鎮魂、清掃を祈願して湖に稚魚を放つ「放生会」なども催されるためレア度はかなり高く、実際に体験するとみんなに話してまわりたくなること必至である。

お祭り期間中の竹生島はエネルギーのかたまり

祭典は午前11時開始で、その後の玉串宝殿はvol.2で紹介した三社弁才天祭同様なので割愛するが、龍神祭は舞楽奉納がないぶん時間に余裕があるためか、玉串宝殿後に宮司さんがマイク片手にゆっくりと挨拶してくれる。中でも印象に残ったのは、「今年は(滋賀は)7日に梅雨入りしましたが、10日の三社弁才天祭からはとてもよく晴れています。お祭りが開催されている期間中は特に、竹生島はエネルギーのかたまりですから、何も持って帰らなかったら意味がない。おのおのが御徳を持って帰っていただきたいです」というありがたいお言葉。そう言っていただけるとこちらも、遠慮なんかせずに自らの幸せを望んでいいんだなと思えてくるものだ。

宮司さんの挨拶が終わると、参加者全員で島のほとりにある「斎庭(ゆにわ)」と呼ばれる場所まで移動。すると、待っていた巫女さんが一人ひとりに卵と餅を手渡してくれたかと思いきや、すぐさま続いて水槽の前に待機する男性が、泳いでいる稚魚をすくって網ごと渡してくれるので驚かされる。

chikubu-33

大量の卵と餅が琵琶湖に投入される

大量の卵と餅が琵琶湖に投入される

稚魚が傷つかないようやさしく放流すべし

稚魚が傷つかないようやさしく放流すべし

参加者一人ひとりが琵琶湖に卵と餅を奉献&網を使って稚魚を放流

前に並んだ人を見ていると、どうやらめいめいで卵と餅を琵琶湖に投げ入れ、稚魚は生きたまま放流するようだ。列をなす人々がこぞってそれらを琵琶湖へと届けている景色はなんともユニーク。投げ入れる瞬間もぜひとも写真や動画におさめたいところだが、テンポよく順番が回ってくるため、早い段階でカメラをセッティングしておかねば到底うまくいかないのが残念だ。

斎庭には卵を加えた龍の姿も

斎庭には卵を加えた龍の姿も

奉献と放流を終えると、神事でのお楽しみである直会がスタートする。直会で用意されているお弁当やお神酒については、三社弁才天祭をはじめとするこの神社の他の人事となんら変わりはないのだが、おもしろいことに、龍神祭の直会においては全員にゆで卵と餅が配られる。しかも、卵にいたってはその場で食べる分と持ち帰り分と2つ用意される。この日隣り合った女性が、「こういうのはおすそ分けすることが大事だからね。家族に持って帰ってあげなきゃね」と教えてくれたのでその通りにしたが、滋賀から東京まで卵を持ち帰るのは少々不安。茹でてあるから当日中なら問題ないだろうが、泊まりでスケジュールを組んでいる場合には、その日の夜に自分で食したほうが無難かもしれない。

chikubu-41

お弁当にも持ち帰り用にもゆで卵が用意されている。おみやにはさらにお餅も!

お弁当にも持ち帰り用にもゆで卵が用意されている。おみやにはさらにお餅も!

ちなみに、滋賀には琵琶湖以外にもたくさんの観光スポットがあるので、1泊2日で旅行計画を立てるのもおすすめである。竹生島へのクルーズ船が出港する長浜に宿泊するなら、翌日には、江戸時代から明治時代にかけて造られた歴史建造物が並ぶ「黒壁スクエア」や長浜城、海洋堂フィギュアミュージアムなどを巡ってみては?

また、お祭り当日の夜は数駅先まで少し足を伸ばしてホタル観賞するのもオツ。長浜から片道40分強の近江長岡駅周辺では、この時期、幻想的なホタルの乱舞を満喫できるだけでなく、一帯に愛らしいホタル行灯が設置されているので散歩そのものも存分に楽しめる。

手作りのかわいいホタル行灯

手作りのかわいいホタル行灯

手作りのかわいいホタル行灯

「それもいいけど、竹生島来島を来年まで取っておけない!」という人は、8月6日7日に同島で開催される「童子迎えの神事」に参加するのもよし(6日は前夜祭)神事船に乗船して竹生島を一周できるまたとないチャンスなので、興味があるなら早速問い合わせてみてはいかが?

 

◆竹生島神社
http://www.chikubusima.or.jp/

◆竹生島・宝厳寺
http://www.chikubushima.jp/

今月の旅のMAP

3/3

前のページヘ
                                        

この記事を書いた人

松本 玲子

松本 玲子  

文筆家、音楽家、ナレーター。書き手としては幅広いジャンルを手掛けるが、父=浄土真宗本願寺派、母=浄土真宗大谷派の寺出身なこともあり、幼い頃から精神世界への興味が強く、旅系媒体では特に神社仏閣や秘境記事を好んで書く。

ありきたりじゃない旅Guide

Wanderlustのアカウントをフォローして
連載を見逃さずに読もう!

facebook

twitter

instagram

TOPへ